Project Description

小諸市に古くからある日本料理「音羽」にて、改装工事が完成したその数日後に行われた結婚式と披露宴。
会場内の和室の床の間や真っ白な大きな漆喰の額。
新郎が謝辞で述べたのは、これからの音羽と自分達の未来でした。

花嫁衣装の色打掛の写真

Photo Gallery

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Story

7年のお付き合いを経てご結婚されたおふたり。
小諸市に古くからある日本料理「音羽」でおふたりは誓いの儀を行いました。

おふたりとの出会いはご新婦からの1通のメールでした。

メールでご連絡を取り合い、直接お会いすることとなったのは最初のメールが届いてから約1ヶ月後。
ご新婦はご新郎やご家族と相談をされながら、結婚式準備についてかなりお悩みになっていたようでした。

おふたりの第一印象は、ご新郎は、現在のお仕事(飲食店経営)に相応しい、落ち着いた方で、人当たりの良い笑顔が印象的なとても礼儀正しい青年。
ご新婦は、メールでも感じていた通り、お会いした時もさりげない気遣いができる方で、親御様にとても愛され躾られてきたのだなと感じる所作も美しい女性でした。

そんなふたりがご結婚式のご準備でお悩みだったのは、この結婚式準備で先導役(私)が必要かどうかということ。

というのも、会場となる料亭は、ご新郎のご家族が経営を引き継ぎ、ご新郎自身もお勤めの場所。
その会場で、ご新郎自身も宴会業務の担当を多く行なっていること、冠婚葬祭業の各方面にお知り合いも多くいることから、ご新郎はご自分達で結婚式の準備が可能なんじゃないか、とのお考えだったようですが、ご新婦は何をどう準備したら良いのか分からない中、先導役がいないことをとても不安に思い、そして、おふたりともお仕事がご多忙なこと、ご家族からの意向、ゲストのご移動やご宿泊について、自分達でどこまでケアできるのか、ご新婦はご新郎の負担も考え悩みに悩んで私へのメールをしたことと思います。

おふたりに初めてお会いしてお話を伺うと、通常のご結婚式のご準備だけではない、会場のリニューアルのご準備も待ち構えているとのことでした。

会場となる料亭でのご結婚式は、ご新郎がお勤めになられてから初のご結婚式で、お料理やお飲物、サービスに関してもどこまで対応が可能なのか、ご結婚式のご準備を進めながらご新郎が全てをケアすることは到底不可能なのではないかということ、それが何故不可能なのか、ご準備に関しても、招待状を出して、当日のお料理や引出物をご用意すればご結婚式が成立する訳ではないこと、ご結婚式のご準備で今後ご新婦にどれぐらいのご負担が考えられるかなど、私がフリーランスとして、プロのウェディングプランナーとして何故いるのか、おふたりのご結婚式でどういったサポートができるのか等を率直にお伝えさせて頂きました。

その後、メールでのやり取りも何度か行わせて頂いた後、おふたりからのご依頼でプロデュースをすることとなりました。

ご準備は、改装途中の会場で行うことも多く、レイアウトやクロス選び、お花のお打ち合わせ、サービススタッフのレクチャーから当日の装飾品、おふたりこだわりのギフトまで、都度おふたりと確認しながらご準備を進め、お花も、会場となる新郎お勤めの音羽さんが贔屓にしているお花屋さんに依頼し、お打ち合わせの際もお花屋さんも親身になって色々とご提案くださいました。

でも、私はこれまでご準備を一緒に進めてきたご新婦が何か言えずに遠慮しているように見えて、再度お花屋さんに出向いて希望をお伝えすることをご提案し、お花屋さんも快くそのお打ち合わせを受けてくださり、後日一緒にお花屋さんへ行きました。

音羽さんの雰囲気やご新婦の好みや希望、会場にあう装花の大きさ、花器、花周りの装飾等、見違えるようなご提案を頂きご協力くださり、ご新婦も満面の笑みとなる当日の装花が決定しました。
このご新婦の笑顔は、おせっかいでも新郎新婦の一番の理解者でありたいとずっと心にとめてご一緒してきた私にとって、とても嬉しい瞬間でもありました。

ご準備も大詰め。
受付スペースに飾る品、親族の待合室や会場に飾る写真等、ご新婦とご新婦のご友人のお手作り品も多い中、ご新婦はとても一生懸命ご準備を頑張りました。
そして、またご新郎も、音羽の会場リニューアル工事、映像放映、配線手配やお料理やお皿、シルバーやグラス類に至る手配まで、一般のご新郎のご準備では考えられない、ご自身が率いる会場の作り込みのご準備もご新郎としてのご準備も同時進行で必死にこなしてくださり、11月4日、晴天の中、「日本料理 音羽」にて、ご家族、ご友人、音羽のスタッフからおふたりへの愛を表すかのようなあたたかいご結婚式が無事に執り行われました。

ご新郎からの謝辞には、これからの音羽と自分達を表すお言葉がありました。

「隣のお部屋の床の間も何も飾らず、このお部屋も額縁の中は漆喰を塗っているだけの状態ですが、これから試行錯誤を繰り返しながら、この音羽も私達も自分達の色をつけていかれたらと思っています。どんなに困難や高い壁があっても新婦とふたりで楽しんで乗り越えて行けたらと思います。これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」

このご結婚式は、このお言葉に全てが込められていると感じました。

おふたりが力を合わせ、努力し、理解し合い、時にはぶつかりながらご準備を進めてきたこのご結婚式。

ふたりが結婚しご両親のような家庭を築くために必要な儀式であり、通過点でもあるのだと、この結婚式を通じて、ふたりのお互いやお互いの家族への理解や愛がより深まったことと思います。

ふたりの未来を照らすような素晴らしい晴れやかなご結婚式でした。

おふたりから頂いた花束と笑顔は私の宝物です。

誠におめでとうございました。
末永くお幸せに。